読んだ本まとめブログ

読んだ本について概要•要約と感想を備忘録として残しています。

変な家【雨穴】

変な家【雨穴】

 

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【感想】※ネタバレあり

おかしな部分のある『変な家』の設計図を見ながら、オカルトライターの筆者(という設定)と、設計士の栗原さん、関係者がなぜこのような設計の家ができたのかを推理していく話です。

推理小説と呪い、殺人が混じったような内容で、レポのように話し言葉で進んでいくのが特徴的です。

また、何枚かの設計図が出てきて、見比べながら、モノから何が起こったのかを推理していく、という流れです。

最終的には大昔からの当主の争いや呪術的な習わし、それらに関する原因で起こった殺人や、それらに反発するために起こった殺人のための家だった、という話でした。

話の仕組みが設計図を見ながらというのが斬新な本だったと思いました。

「自然に貯まる人」がやっている50の行い 金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか【黒田尚子】

「自然に貯まる人」がやっている50の行い

金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか【黒田尚子】

 


 

☞こんな人におすすめ

・お金を貯めたい方

・部屋を綺麗にしたい、断捨離をしたい方

【概要•要約メモ】

・自分に必要なもの「ニーズ」と、単に欲しいもの「ウォンツ」を判断する

・物を増やさない、自分に必要な物の量や数を理解して決める。物を購入するのは最後の手段、最低限のもので暮らしてどうしても必要な時だけ買う。常に今あるものでできないか工夫する

・冷蔵庫を片付ける

・スイーツなどのプチ浪費の習慣を見直す

・情報は①誰が書いているか②情報源は?③何の目的で書かれたか?広告か、出資者はいるか?④いつ発信されたかを確認する。基本的には公的機関の情報から。

・時間の使い方:自分が大事にしていることを優先する。やるまで迷わない。後回しにしない、すぐやる。不要なことはやらない(ネサフとか)

・買う時に維持費も考える

・自己投資する、健康づくりも資産(がん検診、週3回30分以上のジョギング)

・ローンや保険は仕組みを理解して使う

・お金をかければ良い教育ではない、子どもにとってベストを模索

SNSは目的に応じて使う

 

【感想】

私もミニマリストに憧れつつ、もったいない精神を捨てられず、旅行先などで好きなものがあるとついつい衝動買いしてしまうタイプの人間でした。

この本を読むまでも、好きな作品のグッズが欲しくてたまらなかったのですが、私が欲しいものは単に欲しいもので、必要なものではなかったことに気づいて、物欲が滅しました。

モノを買うのは最後の手段、というのも心に刻みたいなと思いました。

また、冷蔵庫にあるものが計画性がなくて把握していなかったり、スイーツを衝動買いしたりしてしまうのも心当たりがありすぎて、もっと必要なモノを必要な量買おうと思いました。

また、健康づくりも大事だなと改めて思い、ジョギングから始めようと思いました。

他にも具体的にFPの著者から具体的な投資の話など、お金の貯め方も書いてあったので、お金をどうしたら貯められるかを知りたい方にもいい本だと思いました!

ぜひ読んでみてください!

スワロウテイル【岩井俊二】 

スワロウテイル岩井俊二】 


 

 

☞こんな人におすすめ

テーマが重めのストーリーが好き 

アクションのある小説が好き

 

【概要•あんまりネタバレなし】

『幸福な毎日はやがて色褪せ、それでも人はくり返す日々を止めることができない。歳月とか時間は、あたしたちのために用意されたものではないのかも知れない。』

私がこの小説で、一番好きな文章です。

 

(起)

訳があって不正入国をしているような人たちが、日本でゴミ捨て場と化した場所やトラックの荷台、裏社会、それらを円町(イェンタウン)と呼び、暮らしています。

フニクラたちは墓を荒らして金目のものを売り、その妹のグリコは娼婦としてポルノ写真のモデルとなったり、娼婦としてお金を稼ぐ日々です。

ある日、グリコが娼婦の駆け出しであった頃に世話になった恩人から、身元のない子供の引き受けを依頼されます。

仕方なく引き受けたグリコの胸元の蝶のタトゥーを気に入ったので、グリコはその子供を「アゲハ」と名付けます。

 

(承)

ある日、グリコの元にお腹に傷を負い、腹の中に何かを隠したお客が来ます。

そのお客はグリコではなく、アゲハを襲おうとし、隣人のアーロウはアゲハを助けようとしてお客を殺してしまいます。

そのお客のお腹からは代議士の裏帳簿テープが出てきます。

グリコたちはお客の死体を金持ちのお墓に埋めて隠します。

 

一方、フニクラは金持ちの墓前に供えられていた花先に宝石があることを発見し、それらを毟り取って売ると大金になり、彼らはライブハウスを持つことになり、グリコがボーカルとして人気が出てきます。

 

彼らの運命は如何に…?

という話です。

 

少し難解な話でしたが、ハラハラする展開で夢中でページを捲っているうちにすぐ読み終えていました。

難民、娼婦、裏帳簿などダークなものをテーマに描いている反面、思わぬ大金を得て店を持つと言う夢が叶えられたり、ライブハウスで歌うグリコのボーカルの才能が見出されたり、希望が叶うときもあります。

また、イェンタウンでの暮らしも支え合い、笑う姿があるのが印象的でした。

 

終盤、銃撃戦のアクションシーンもありますので、そういったシーンが好きな方にもおすすめです。

 

 

【以後、終盤以降のネタバレを含む読書感想文になります。】

(転)

グリコのボーカルが芸能プロダクションに目をつけられます。

オーディションではグリコが戸籍がないことはバレますが、帰化することもできる、なんとでもできるといいます。

そうして、グリコはイェンタウンでの暮らしを塗り替え、ライブハウスを卒業し、表舞台の歌手としてデビューする日が近づいていきます。

一方で、アーロウの妻は代議士の秘書(殺したお客)はアーロウが殺したこと、住所などを金欲しさにライターに話します。

ライターがその住所に行くと、過去の胸元に蝶のタトゥーの入っているグリコのポルノ写真を見つけます。

デビューの取材を装って、ライターはグリコに近づき、グリコのポルノ写真を見せ、グリコは過去に娼婦だったこと、本当はイェンタウンの身元で今回の殺人にも関わっているのではと迫ります。

追い詰められたグリコはポルノ写真を飲み込もうとしますが、硬い写真は飲み込めず、所詮自分はイェンタウンから逃げられないことを悟ります。

 

一方で、アーロウの妻は金欲しさに様々なマスコミにアーロウの殺陣を垂れ込んでいました。

ついに代議士の耳にも入り、アーロウの妻は代議士に呼び出され、拷問のうえ、全ての情報を吐いた後に殺されます。

そして、代議士に雇われた殺し屋たちにアーロウも殺され、ライブハウスにも手が及び、フニクラは脅されて「ヒョウかリンのどちらかがテープを持っている」と言います。

 

(結)

ついにイェンタウンに殺し屋たちも現れ、フニクラはヒョウのもとまで案内すると銃で撃たれ殺されます。

ヒョウは銃撃戦で応戦しますが、腹を撃たれ、テープを渡し、破れます。

 

殺し屋たちはライターやグリコの元にも現れますが、リンが倒します。

リンはグリコたちと暮らしていましたが、おそらく実は隠密部隊の兵だったのだと思います。

 

ネタバレのあらすじは以上です。

少し読解が難しいところがあり、解釈が違ったらすみません。

映画が原作なのか、映画の元となる作品なのかはわからず読んだのですが、とにかく映画化されている本なので、アクションシーンは映画だったらもっとハラハラする展開なんだろうなと思いました。

 

小説としては、『幸福な毎日はやがて色褪せ、それでも人はくり返す日々を止めることができない。歳月とか時間は、あたしたちのために用意されたものではないのかも知れない。』この一文に尽きる気がします。

元々が娼婦、イェンタウン、体にも心にも消えたいタトゥーを追っています。

お金持ちが墓前に供えた宝石の花は、お金持ちにとっては手向けの花であっても、イェンタウンの彼らにとってはお宝で、大金でした。

大金を手にして、夢だったお店を持ったり、そのお店で才能を見出されて表部台に立てると思っても、イェンタウンで過ごした日々が消えずに、その希望も絶たれます。

グリコの兄も亡くし、デビューできる状況ではないけど、最後のシーンは出所祝いとしてなんと生き残っていたヒョウとグリコたちがライブハウスでちょっとした宴を開きます。

ライブハウスも裏社会の風俗と繋がっているようなライブハウスで、イェンタウンの延長線上であり、そこに結局は戻ってきてしまったこと。

どんなことがあっても生活は続くし、なんだかんだ生きていかなくてはいけないけど、宴など笑い合える心はあること。

 

なんとも言えない終わりでした。

映画もいつか見てみたいです。

ハンチバック【市川沙央】

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【あんまりネタバレなしのあらすじ】

重度身体障がい者の釈華は、親が遺したお金はあるが、普通の生への憧れを抱いています。

釈華は、文字を書くライターとして妄想や心中を吐き出したり、使い所のないお金を寄付してみたりして、日々を過ごします。

釈華は親が遺したグループホームの所有者として、他の利用者やヘルパーさんと暮らしています。

そんなある日、あるヘルパーさんからこう言われます「弱者が無理しなくてもいいんじゃないですか。金持ってるからって。俺も弱者ですけど。」

重度障がい者として生きる身体的、精神的苦しみ。それとともに、健常者と同様に、人としての思考があること。その思考も苦しみにより歪んでいくことへの皮肉。

また、弱者男性視点での補助者の物語や、性(生)への渇望もある、心に刺さる一冊です。

最初の数ページは「なんだこれ」と思うかもしれませんが、最後まで読んでみてほしいです。

 

 

 

※以降はネタバレを含む、読書感想文、あらすじです。

この言葉が適切か分かりませんが、すごく面白い本でした。

まず、自分が知っている気になっていたようで、知らなかった世界を示してくれる本です。

私も身体は丈夫な方ではないですが、身体は自由に動かせます。

しかし、釈華は背骨が曲がってしまう遺伝子で、健常者にとっての些細な動作でも、曲がった背骨は肺や心臓を圧迫し、左からしか起き上がれないなど、様々なできないことがあります。

右側の窓から見えるという富士山は見えないし、紙の本も読めないため、電子化することで本を読んでいます。

また、喉を切開していますが、痰を吸い取られる前や、異物が入った時に自力で取り出せない苦しさも描写されています。

著者自身も重度身体障がい者であり、著者だからこそ見せられる文学であり、引き込まれる文章から見せられる現実を感じました。

著者がとても知性に長けていて、語彙力も幅広く、知らない単語が出るとこんな言葉があるのかと目から鱗でした。

障がいについては知識としてなんとなく知ったつもりになっていましたが、小説を通して追体験(にはきっと程遠いのでしょうが)することで、現実に存在するこのような状況にある人がどんな想いで生きていて、どういう困難があるのかを知ることができたと思います。

それも、教科書のようなお勉強として知れたわけではなく、不思議と読んでいるうちに深く心に入ってきて、没頭していました。

 

そこで語られる、読書という行為の優位性について、健常性がないと紙で本を読めないとは考えが足りず、自分自身もこだわりはないですが紙で読んでいたので何とも言い難い心地になりました。

以前、障がい者の方が電子書籍を希望する話題を聞いたことがありましたが、何となく電子書籍だと読みやすいんだろうという程度の理解で、そこまで障がい者の方が読書をするのに苦労しているとまでは理解していませんでした。

また、鉄棒などはできないけど、読書はできるから、遠すぎないから憎いというのは、誰にとっても理解できる気持ちだと思いました。

それでも、読書は大変だけどできる行為で、著者や釈華は執筆や論文をする描写がありますが、何かを文字で表現をしたい気持ち、読みたい気持ちは、誰だろうと変わらないのだと感じました。
最初はハードカバーにしては薄いし文字も大きめだなと感じた本の厚みも、きっと著者にとっては執筆だって体の体制を変えたりしながら書いたもので、本の厚さで何かを測ろうとしていた自分が恥ずかしく思いました。

また、「なんだこれ」と思ったゴシップ記事の文章の始まりも、所謂普通に結婚して、子供を産んでクラスという健常性が叶わないから、せめて子供を中絶したいと性であり、生切ることへの思いが降り積もっています。 

 

ここまででもだいぶ面白くて、魅せられる文章でしたが、ヘルパーの田中さんの発言により、物語は起承転結の「転」が始まります。

ヘルパーの田中さんも、健常者ではありますが、弱者男性と自称しています。

最後まで読むと分かりますが、彼もいろいろあって、介護職に行き着いたことが分かります。

しかし、グループホームではグループホームの人間関係があります。

グループホームの人間関係については釈華自身も心地の良いものとは感じていないときもありましたが、田中さんにとっても弱者男性というくらいですから居心地のいいものや、やりがいのある仕事ではなく、お金のために耐えていたのでしょう。

昭和の価値観の老人男性の介護も相性が悪かったことも示唆されていますが、田中さんの怒りの矛先は釈華に向かいます。

ここが、お金はあるが健常性のない釈華と、健常性はあるがお金はない田中さんの対比になっています。

一方で、釈華にも田中さんにも、社会にとって自分は弱者なのだという共通点があるのが皮肉にもなっています。

初めは社交性のない、ありがちな若者とも呼べない年の男性だと思っていた田中さんが、急にキーパーソンとなることは予想外でした。

田中さんの心情や行動が分かってから、「じゃあ、この時の、この人の言動、気持ちは…」ともう一度読み返すと、また違う視点が見えてきます。
現実と同じで、行動等の見える部分と、内心の感情がいっぺんに明かされるわけではないけれど、確かに考えはそこにあることが小説でも表現されていて、すごい、この小説はフィクションだけど現実だ、思わされるのです。

 

田中さんは釈華の「自分は子供は産める人体ではないが、生理はきていて、妊娠はできるので、普通の人と同じように妊娠して中絶してみたい」と書いてあるTwitterのアカウントや、エロ小説、エロ記事のことを知っていると脅します。

釈華は田中さんにお金を渡す代わりに、田中さんは釈華と性行為を行うことで、合意をします。

釈華は性に興味があっても体験できなかったことから、精子の飲んでみたいと言い、田中さんの包茎手術済みのそこを口に含みます。

この辺りも、田中さんと釈華のコンプレックスや、攻撃性、渇望が見えてくる印象的な描写でした。

田中さんは釈華の口に射精しますが、釈華が嚥下できず苦しんでるのをみて、性行為もお金も持ち出さずに逃げ出します。

釈華はその後、病院で入院することとなり、グループホームの人から田中さんは今後辞めることとなったことを知ります。

グループホームの他の人には釈華と田中さんの行為は知られておらず、田中さんは辞める前にヘルパーの仕事として釈華の病院に足を運びます。

田中さんは「こんなになってまで性行為がしてみたかったのか」と釈華を蔑みますし、釈華も田中さんに「田中さんはお金のことだけ考えて」と言い返します。

その後も結局田中さんと釈華の性行為は行われず、田中さんはお金も持ち出されませんでした。

釈華は、自分はハンチバック(せむし=背骨が曲がっていること、という意味で使われています。)の怪物だから、健常性との正しい距離感だった、諦念のような気持ちでこの件を締めくくります。

 

…と見せかけて、最後の数ページでどんでん返しがあります。

初めは釈華の視点かと思いますが、娼婦の紗花(源氏名)の視点だと分かります。

お金があっても健常者になれない釈華が、「生まれ変わったら身体を売ってお金を稼ぐ娼婦になりたい」とTwitterで呟いていた娼婦であるしゃか(紗花)の視点に変わるのです。

読み進めていくと、紗花は釈華と同じで大学生であることが分かります。

紗花はお客になぜ嬢をやっているのかと聞かれると、「学費のため。お兄ちゃんが刑務所に入っていて、お母さんもおかしくなり変な宗教に学資保険以外寄付してしまったから」と答えます。

初めは嘘だろうと思って読んでいますし、実際紗花の目的はホストの担に貢ぐためです。

さらに客に「お兄さん何しちゃった?」と聞かれて、紗花が返した言葉に衝撃を受けます。「お兄ちゃんは新卒で入った会社をいじめられて辞めて、介護士の資格を取ってグループホームの仕事をしていたが、そこの利用者の女の人を殺した。お金を持った逃げたがすぐ捕まった。」と…。

紗花は田中さんの妹で、釈華は田中さんに殺されてしまい、田中さんはお金を得ることができず逮捕されてしまい、それを機に田中さんの家族は崩壊し、妹はホストにハマり娼婦になっていたのです。

紗花は繰り返し「担」のせいだ。「担」が悪い。憎い。と表現されていますが、これは釈華が繰り返し悩まされていた「痰」と韻を踏んだ表現であまりにすごい。

そして、紗花はNNで避妊をせず、娼婦として客と性行為をします。

 

最後の解釈が自分には難しかったのですが、終盤までずっと読んできた釈華や田中さん(兄)の元になる人物はいますが、今まで読んでいた文章は、全て紗花が壊れていく家族の中で正気を保つための物語(空想)だったと解釈しました。

そして、紗花は、釈華が殺したがった子を、私は孕むだろう。と言って物語は終わります。

 

ものすごく長くなりましたが、全てがすごいです。構成力、文章力、物語の展開、思想、全てが刺さります。

釈華が著者のモキュメンタリーなら、なぜ市川沙央という名前でデビューしたのだろうと疑問に思っていましたが、最後まで読んで納得しました。

長々と語りましたが、まだ読んでない方はぜひご自身で文章に触れてほしいし、その上で皆さんの感じた感想を教えてほしいです。

 

とても大好きな一冊になりました。

何となく、太宰治さんや村上春樹さんあたりが好きな方には刺さるかもと思いました(自分がそうなので)

やらなくてもいい、できなくてもいい。人生の景色が変わる44の逆転ルール【四角大輔】


 

やらなくてもいい、できなくてもいい。人生の景色が変わる44の逆転ルール【四角大輔】

 

☞こんな人におすすめ

・学生等で進路に迷っている人

・就職したけど嫌々働いている人

・クリエイティブな仕事をしている人の考え方、働き方に興味がある人

 

【概要•要約メモ】

・後に有名になったアーティストの営業やプロデュースを手掛けた著者の経験や考えが分かる本です。

・好きなこと、得意なことを伸ばすとよい。一生懸命にやっている姿は誰かに刺さる。苦手なことは当たり前のこと以外はできなくもよい。

・時には自然の流れがあり、自分が思い通りにできなくてもよい。仮説を立て、動き、結果を見て、なぜそうなったかを後付で研究することで試行錯誤する。

・自分の就きたい職業でなくてもやりたかったこと、夢や目標は達成できる。

・誰に届けたいかを具体的に考えてプロデュースする。

・辛い時の逃げ道があっていい。

・相手の意見を聞く余地を残した上で、自らの方針をブレずに持つこと。人によって態度は変えない。

 

【感想】

読んでいて、途中はクリエイティブな業界で働く営業視点の話で、一般企業には縁のない話かもしれないと思いました。

しかし、最後まで読んで著者の方の熱意や、伝えたかったメッセージはちゃんと一般人の自分にも届きました。

最後に記載されていた、「あなたらしくキラキラ輝いて生きられる場所を見つけてくださることを願っています。」の文章に全てが詰まっていると思います。

まだ進路が定まっていない、自分の夢が分からない学生の皆さんにぜひ読んで欲しいと思いました。

同時に、自分を含め、お金のために漫然と機械的に働いている社会人の方、特に転職するか、今の職場で働き続けるか悩んでいる方や、今の職場での在り方に悩んでいる方に読んでほしい一冊だと思いました。

 

他者との協働の在り方や、自分のありのままで強みを活かす在り方、そして、どのように好きなことを誰かに届けるか、自分のやりたいことを叶えるかのヒントになる本だと思います。

 

あと、本著に大きく関係する話ではないのですが、著者が本当にフライフィッシングが好きなのが伝わってきて、釣りをここ数年していない自分でも少し興味がわく文章でした。

 

読み終えて、自分には縁のない世界の話と思わずに、最後までちゃんと読んで良かったと思っています。

自分が今行なっているブログなどをどういう方向性で誰に届けたいのか、今一度見直したいです。 

また、自分にも夢のようなものはあるので、それをどこでどう達成していきたいか、本著を読み返しながら少しずつ模索してみたいです。

「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本【武田友紀】


 

 

「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本【武田友紀】

☞こんな人におすすめ

・傷つきやすい方

・お疲れ気味の方

・自分って細かすぎるのかな?と悩んでいる方

・刺激に弱い方

・人間関係に悩んでいる方

 

【概要•要約メモ】

・いいものや辛いもの両方を感じ取る力が強い「繊細さん」と、その力が弱い(その感覚が分からない)「非・繊細さん」がいる。

・「繊細さん」が元気に生きるには自分がどうしたいかを自分の本音に問いかけ、自分で選ぶことが必要。

・苦手なことに対して心を閉ざすのではなく、五感をモノで防ぐ(サングラスをする、音楽を聞く、素材の良い服を着る、アロマをつける、刺激の強い食べ物を避ける)

・楽しいイベントの翌日も休日を入れる。

・配慮する力が弱い人もいる。察してもらうのではなく、その人を観察して、はっきり言葉でお願いする等で関係性を築く。

・嫌いは避けてもいい。相手の話を聞いて疲れるならテレビの向こうの人や、透明なアクリル板をイメージして、自分と相手に境界線を持つ。物理的な相手の間にモノを置いたり、距離を離れるのも効果的。

・頼まれていないのに助けず、見守る。頼まれたら助ける。

・できない時はできないと言っていい。

・察して欲しいと思わず、言葉で伝える。

・自分の中に自分の居場所を作る。自分の味方でいる。

・やることがいっぱいの時は一つ一つやっていこう、と目の前のことだけをやる。

・誰かが機嫌が悪いことに気づいたら放っておいて、相手から離れる。自分にハンドクリームを塗るなど自分をケアする。

・適職の3条件は①やりたいと思えるか②得意を活かせるか③働き続けられる労働環境か

・幼い自分をイメージして、迷っていることを聞いてみて、その子を守る親のつもりで、眠る・遊ぶなど自分のしたがることを叶えてあげる。

 

【感想】

本の中に繊細さんテストがあり、自分が繊細か否かが分かります。

自分は繊細さんなんだと分かりました。

 

ただ、繊細なことはデメリットばかりではなく、いいことや相手のことにも気づけるメリットもあることがわかって、悪いことばかりではないと思いました。

自分で選ぶ、自分のしたいことを叶えるのは大人になる程、簡単なようで難しく感じます。

本著には「繊細さん」がありのままで生きるヒントがたくさん載っているので、自分に合うやり過ごし方、生き方、働き方を探していきたいと思いました。

働き方は特に③働き続けられる労働環境かというのは「繊細さん」にとっては難しいところですよね…。

ただ、この本に書いてあった概要にあるようなテクニックを使って、少しでもありのままで生きていけるように過ごしてみたいです。

 

人間関係などに悩んでいる方はぜひ読んでみて、参考にしてみてくださいね。

 

 

あやうく一生懸命生きるところだった【ハ•ワン】

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こんなひとにおすすめ☞

頑張り屋さんなあなた

最近頑張って働くことや生きることに疲れちゃったあなた

少し休みたいあなた、又は少し休んでいるところのあなた

 

【内容】

会社に勤めながら、イラストレーターもしていた著者が、自分の生き方の方向性に疑問を感じ、「今日から一生懸命生きない」と決めて生きてみたエッセイ本です。

 

【感想】

意訳してる部分もありますが、すごくいいなと思ったところメモです。

 

努力したって、必ず報われるわけではないことを認めれば、憤りが軽くなる。

やる気がないなりに目の前の仕事をこなせばよい。

他に道がないと執着しなくとも、いろんな選択肢がある。

失敗を認め、努力と時間が身を結ばなければ辞める勇気。失敗しても新しいことにチャレンジする勇気が必要。

思い描いた人生が歩めるとは限らないが、自分の人生も悪くないと認めると幸せに感じられる。人生をどう捉えるか。

年を忘れてやりたいことをやってみる。

やりたい仕事は探すものでなく、恋愛のように訪れるもの。

仕事に多くのことを求めすぎない。

夢があるなら叶わなくても挑戦する権利がある。

ないならないなりに暮らす。

未来のためでなく、現在のためにお金を稼ぐ。

自分だけのペース、コースを探すことが大切。

万人に受けるものではなく、自分が好きなものを大切に。

人生に期待しすぎない。

一生懸命生きる(努力)=我慢、辛い人生 より生きる過程を楽しむこと。楽しい時間を過ごすこと。

 

著者は韓国人ですが、日本に住む自分にも刺さる言葉がたくさんあって、暮らす場所は違えど考え方や生き方には同じものがあると思いました。

 

大抵の人は一生懸命生きたいわけじゃないけれど、一生懸命生きないことにも勇気がいると思います。

いざ働きたくないと思っても、じゃあ働かなければ一体どこに進めばいい?と不安はつきないです。

それでも一歩踏み出して、ゆるりと生きている著者には憧れます。

そんな著者だから紡がれる言葉に強さや、魅力があるんだと思いました。

 

読んでいると一生懸命生きている我々も視野が広がって、少し救われるような本でした。

著者のように思いきれるかはわかりませんが、少なくともいつもより少しだけ頑張らないで楽しんで生きようかなと思える本でした。

 

イラストもクスッとしちゃうようなイラストで、イラストも文も書けるのってすごいな〜と思いました。