読んだ本まとめブログ

読んだ本について概要•要約と感想を備忘録として残しています。

仕事・人間関係「もう、限界」と思ったとき読む本【石原加受子】

仕事・人間関係「もう、限界」と思ったとき読む本【石原加受子】


 

 

☞こんな人におすすめ

・仕事や人間関係が限界の方

 

【概要・メモ】

・仕事や人間関係に限界を感じたら、自分の感情を大切にし、他者からの承認基準に頼らず生きるとよい。「今、〜したい/したくない」叶える。「〜すべき/しなきゃ」は「したくない」ではないか気づく。

・他人と争わない。自分の心に寄り添った言葉を使う。相手が攻撃的だったり押し付けてくる場合は、自分の気持ちを押し殺さず、「分からないけど、そばにいてほしい」「アドバイスありがとう、でも私は〇〇でいきたい」、「今日はおしまいにしたい」「どんなに言われても私にできるのはここまで」「もう聞くのが辛いからやめたい」などで伝える。争う人(怒る人)には「私はできません」と明確な意思をもつまて一貫した態度を取れば争いにはならない。それでも争いになりそうなら離れる。

・問題解決ではなく、人と関わることが目的の人(クレーマー、引きこもりなど)とは付き合うほどエスカレートする。相手ではなく、自分の気持ちが楽になる・自由・満足な方、プラスになる言動で人と関わる。

・自分が相手に伝えようと必死な時は、必要以上に相手に近づきすぎている。距離を置く。

・不機嫌な人など否定的な感覚を感じたら離れる。

・「でも」を使わなくていい。相手はその人の意見・感想を言っている。私はそれを受け入れる義務はない。自分の気持ちを優先する。

・相手が話し終わった後に反応してよい。すぐに反応しなくてもよい。

・相手のことは、自分を傷つけない(自己犠牲ではない)範囲で助ける。

・自分が過去にしたことを認めて、幸せになっていいと思う。耐えられない感情を受け止める。例えば、仕事を辞めたいと思っても踏み切らないならば、踏み切れない弱さが問題。

・人ではなく、目標や自分の願望に目を向けると、他者が友好的に見え、恐れなくなる。人とモノは分けて考える。

・自分の好きなものを作り、好きな道を選ぶ生き方をする。堂々と自信を持つ。自分の意見を言う時に、相手に正面で向き合い、しっかりと見ると自信を持って見える。

・責任を重くとらえない。自分だけの責任を負えばいいと決める。自分の責任ではないのに、相手の要求に応えたり、人の責任をかぶることはしない。

・「したくなかったら、しない」「したかったら、する。」/「しないのも自由、するのも自由」と思う。

・否定的な面ばかりでなく、公平な目を持つ。その上で、メリット、問題を具体的にする。

・自分がそうなっている状況を否定も分析もせず終わりにする。

・感情は情報である。欲求を満たしてあげる。

・目の前の人を大事にして感謝する。

 

【感想】

自分を軸にして生きると楽になるのだなと分かりました。

そう分かっていてもそれが難しいんだよ…という「でも」も具体的にどう対応すればいいか(返答すればよいか)の例も少し載っていたので、少しずつでも自分を中心に生きる生き方にしていければいいなと思いました!

また、自分を優先しては思いやりがないようにも思っている部分もありましたが、自分が我慢すれば相手にも伝わってよい人間関係になりにくいし、争わずに自分の気持ちを大事にした方が結果的に人間関係も良くなっていくのだな、と思いました。

仕事が辞めたいと思っても辞められない場合、メリットとデメリットが均衡している、否定的な面ばかり見ている、というのも核心をついているなと感じました。

白黒思考ではなくて、少しずつでも自分の気持ちを大事にしていけるように行動していこうと思いました!

 

メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術【わび】

メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術【わび】


 

 

☞こんな人におすすめ

・仕事や人間関係などで辛いこと、理不尽なことがあった方

・心を強く持ちたい方

・転職を考えている方、転職に自信がない方

 

【概要・メモ】

・小さな達成感を積み上げることが大事

・物事を大局的に見る。前に進む選択肢は色々ある。

・二兎追わない。方向性は一つにする。

・イライラした時はまぁ、いいかと思う

・疲れた時はおうち入院(運動、遠出、人と会うことはせず、22時に寝る)

・人にどう思われるかではなく、自分の気持ちに焦点を当てる。

・メンタルの強い人は①仕事以外の趣味がある②コントロールできないことは無関心③信じる生き様がある

・走る、自衛隊体操をする

・寝れない時は、寝る前30分好きなことに没頭する

・メンタルダウンしても人生は終わらない。焦らない。無理をしない。今ある人、環境は人生の一部。周りの人は変わっていく。自分が基準。自分が主人公。

・気持ちがリセットできる場所を作っておく。

・理不尽な指導には「はい」と言わない。無理なことを押し付けられたら手をつけない。

・結論から話す。

・わからないから不安になる。分からないことを明確にし、相談する。

・出口がないと感じたらできることをやり、少しでも進む。仮目標を作り、出口を見出す。

・全体を俯瞰して手を抜くところを見つける。優先順位をつける(上司が気にしているところ)。時間を区切る。中間目標を作る。明日できることは今日しない。70%の進捗段階で確認を取る。

・平時は80%で運転

・「そういう考えもある」と方向性が同じならよしとする

・無線で話すように「よく聞き」「わかりやすく話し」「重要な点はおうむ返しする」

・知らない分野(特に金、政治)、宗教・信条、あるべき論には意見しない。

・「〇〇って言われませんか?」と褒める

・一線を超えてくる人には抵抗する。

・他人は7割程度信用。離れる時もある。

・嬉しい楽しいは共有し、怒り悲しみはパワーに変える気持ちでいく。

・転職は自分の知識・経験を武器に戦い、一般人にそれがどう役立つか分かるように説明する。自分を高く買う企業がある時が転職しどき。いつでも大量に人材募集している企業は×

・「人によって進め方が変わってしまう程度の仕事」と思えば気が楽

・仕事は人生を楽しむための手段

 

【感想】

自衛官の著者様なので、戦略的な話や、方向性で物事を考えること、伝え方を無線で考えるなど、物事の見方が面白いなと思いました。

自分はどういう方向性で人生を進めたいかなと改めて考えた時に、自分の好きなものを大切に楽しめる方向性でいきたいな、と改めて思いました。

しんどいことが起こった時に読み返すと、気が楽になれるような本だなと思いました。

繊細さんが「自分のまま」で生きる本 繊細さは幸せへのコンパス【武田友紀】

繊細さんが「自分のまま」で生きる本 繊細さは幸せへのコンパス【武田友紀】

 


 

☞こんな人におすすめ

HSPの方

・生き辛さを感じている方

 

【感想】

全体的に読みやすく、挿絵も柔らかで、優しい雰囲気の本でした。

繊細さんとは何か?自分は繊細さんなのか?というところから、どうすれば繊細さを生かして生きていけるかというところまで、答えではないかもしれないですが、ヒントにはなるような一冊だと感じました。

難しい本を読むのにも少し疲れている方へ、自分を癒して受け入れる入門書としていいかな、と思いました。

選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論【ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ】

選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論【ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ


 

 

☞こんな人におすすめ

・恋愛に悩んでいる女性の方

・夫人のエッセイに興味がある方

 

【感想】

Xで話題になっていたので読んでみました。

初めはデヴィ夫人の人生、波瀾万丈だなぁと思って読んでいましたが、途中からデヴィ夫人節がすごくて、思わず声を上げて笑っちゃいました。

レベルの違う人の生き方、考え方が分かるエッセイ本としてもすごく面白かったです。

デヴィ夫人の上昇志向や、語学、社交への知識の高さや、道への希望や勇気を持ってなりたい自分、送りたい人生に向かって進んでいくハングリー精神は見習いたいです。

恋愛本としては弱った男性(人)に優しく、伴侶には尊敬、信頼、思いやりをもつという視点は忘れずにいたいなと思いました。

いいことは書いてあるのですが、失恋しても「私がそんなことで泣くとお思い?」などとおっしゃったり、一般的な概念にとらわれずに「もちろん〇〇の方がいいです!」と言い切る強さが好きにならずにはいられない、まさに選ばれる女なのだろうと思いました。

部屋も頭もスッキリする!片づけ脳【加藤 俊徳】

部屋も頭もスッキリする!片づけ脳【加藤 俊徳】

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

片づけ脳 部屋も頭もスッキリする! [ 加藤 俊徳 ]
価格:1,430円(税込、送料無料) (2024/4/15時点)


 

 

☞こんな人におすすめ

片付け本をいろいろ読んでみたけど、片付けが捗らない方

【感想】

片付け本というと、片付けの仕方を書いた本が多いですが、本書は脳のトレーニングの観点から片付けられる脳になれるような方法を示してくれています。

このような視点の本は初めて読んだのでとても新鮮でした。

本内には脳の苦手な分野がわかるチェックリストがあり、それによって、自分が脳のどの分野が苦手で片付けが捗らないかが分かり、苦手分野のトレーニングができまふ。

例えば、自分は「すぐ決められない」という思考の部分が苦手ですが、朝目覚めたらすぐ起き布団を上げることや昨日の目標を20字で書く等が効果的なことがわかりました。

他にも、視覚を鍛えるために遠くを見たり、鳥を探したり、果物狩りをする/理解を鍛えるために空書や配置図を書く/人にどのような順でどう片付けてほしいか伝える などなど身近にできる脳のトレーニングが多種多様にあって、楽しみながら片付けられる脳を鍛えられそうだと思いました。

また、火曜日は火回り、水曜日は水回り、木曜日は木の家具、金曜日はお金回り、土曜日は玄関を掃除、というのも、過去にどこかで聞いたことがあったと思いますが、改めて記憶に残りやすそうだと思いました。

最後に、片付けられないのは脳がどうしていいかわからないとか、面倒だとか、迷っているとか、伝えきらない等の思考に陥っているからだと本書からわかりましたが、それらは部屋の片付けだけでなく、人生のあらゆることに通ずる内容だと思いました。

掃除のやるべきことを整理して、できることからやっていく、という積み重ねも、掃除だけでなく、人生のいろいろなところで必要なスキルだと思います。

本書で脳をトレーニングしながら、部屋の片付けはもちろん、スッキリした理想の暮らしを目指したいなと思いました。

 

以上、感想でした。

超ミニマル主義【四角大輔】

超ミニマル主義【四角大輔】

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

超ミニマル主義 [ 四角 大輔 ]
価格:2,090円(税込、送料無料) (2024/4/13時点)


 

 

☞こんな人におすすめ

ミニマリストに興味がある方

・モノの選び方を知りたい人

・情報の取捨選択の方法を知りたい方

・部屋をすっきりとさせ、暮らしやすくなりたい方

・仕事に追われていっぱいいっぱいの方

・休みがなく、仕事が苦しい方

 

【概要•要約メモ】

⚪︎モノ

・ミニマルは追求するが、快適さ・楽しさは手放さない。最小化で楽、余裕になり、楽しさからモチベーションと生産性を高め、人生が豊かになる。

・上ではなく、奥を見る。最後までやり遂げること。

・①軽さ②コンパクトさ③マルチ機能④パッカブル⑤耐久性⑥イージーケア⑦お気に入りのデザイン⑧エシカルサステナブルでものを選ぶ

・あったら便利ではなく、なくても死ぬことはないで考える。

⚪︎情報

Apple以外のデバイスは検索行動の漏洩対策としてブラウザは「Brave」がよい。

スマホの通知はカレンダーや連絡以外、全てオフ。

SNSは「届けたいメッセージを投稿」or「社会的信頼を得て個人ブランドを構築する」目的で使う。タイムラインは見ない。フォローする人は専門家や報道機関等に限定(歴史ある団体で思想が偏っていないor信頼できる専門家で収入源が広告だけでないと⚪︎)逆にインフルエンサー、著名人、ニセ専門家はフォローしない。肩書きでなく、エビデンスと情報ソースで判断する。

・便利なツールとして必要な情報だけ意識的かつ能動的に取りに行く。

⚪︎部屋

・過去一年間で一回以上使い、これから一年以内にまた使うものだけ残す。

・ほっとする、わくわくする、また書い直してもでもあってほしいモノだけ残す。

・相棒と思えるモノ(これがないとできないことは絶対やりたいことか?ないと暮らせない・働けないか?人生をよくするものか?)を残す。

・収納は用途ごとに移動距離が最短の場所に配置する。取り出しやすさで配置する。よく使うものは手前に、詰め込みすぎない。

・買わない、もらわない、手に入れない。なくても平気で考える。

⚪︎仕事

・夕方は仕事を完全に忘れる時間。自分を癒す、取り戻す、やりたい・好きなことをする時間にする。退勤の電車で本を読む等で仕事を忘れ、家に帰ったら身を整え、息を吐いたら完全にオフモードに。何もやる気が出ない時は「積極的に何もしない」と前向きに決めて何もしない。その日の疲れはその日に対処する。7時間睡眠がよい。寝る三時間前にはご飯を食べる。寝る前は読書など。

・朝は食後のコーヒー、ウォーキング、ヨガ、マインドフルネスなどセルフケアタイムを取る。通勤中に夕方のセルフケア(⚪︎時に帰り⚪︎をする)の計画を立てる。仕事では一人で集中するタスクをする。打ち合わせや電話、コミュニケーションは午後に。

・月曜は週初めのため午後のアポは最小限に。火曜木曜は午後多めでOK、やむを得ない残業会食等はこの曜日に。水曜は朝夕のセルフケアをしっかり行う。金曜は休日への入り口。残業会食等はNG。

・週末は仕事のことは一切考えない。土曜と日曜午前はアクティブに、日曜午後からは家でロングセルフケア。

・仕事は自分でコントロールすべく努める時間、プライベートは100%自分でコントロールできる時間。

・毎日の朝夕のセルフケアで小さなバカンス、毎週二連休、毎月一回の三連休(祝日含む、ない時は有休)、季節ごとに年4回四連休、年一回九連休を作り、年12回以上小旅行などに行くなど休む。 

⚪︎タスク

・朝に深呼吸をしタスクを書き出す→カテゴリー(①ルーティン②急ぎ(優先高)③重要(時間長め)④1〜3以外で締切有⑤ 1〜3以外で締切無⑥やりたいこと)に分ける→不要なタスクを削除、安請け合いしない→①〜④を人に任せるもの、自分にしかできない・得意なタスク入れる

・気の重い仕事は時間で考えると数分で終わることも。トラブルは簡潔に「謝罪、対処すること、まずはお詫び」で忙しいからこそすぐ返信してから、その後トラブルの重さを時間で計る。

・タスクは(タスク名/所要時間/締切)で記載。

・自分のやりたいこと、好きなことを考える。

・25分集中5分休憩×3 / 45分集中15分休憩   

・デスクでの休憩は深呼吸、伸び、ホットドリンクを飲む、目を閉じる、ストレッチ、オフィスを歩くなど。

・一番最初は、締め切りの迫る、所要時間10分以内、頭を使わないタスクを3-8つこなす→次に所要時間30-90分の重めのタスクを1-3つ→最後に所要時間5-20分の軽めのタスクを2-5個

・やりたくないタスクは最短記録を目指すなどゲーム化して、早く、楽しく、丁寧に遊び心を持ってやる。

・心の重いこと、違和感の理由を小さく分割して数値化して荷を下ろす。叱られた時はメモをとり、客観視する。

・誰のために作るのか、誰に届けたいのかでメディアやマーケティング戦略を立てる。

→最重要な点を選択し、それ以外は手放し、集中すること!

 

【感想】

概要ではメモしたいことだけまとめましたが、本はもっとボリュームがあり、具体的でどれもダメになる内容ばかりでした!

自分はSNSをダラダラと見てしまっていたので、必要な情報を取りに行く気持ちで今後は使いこなしたいと思いました。

また、仕事やタスクの考え方も大変勉強になりました!

自分でバカンスを作り、休むこと、楽しむことを大事にする視点は今までなかったので、早速取り入れていきたいです。

また、タスクをどのように整理して集中して行い、気の重いタスクは遊び心を取り入れたり、時間で計ったり、理由を細分化して客観視したりと自分を軽くしていくことができるということを知れてよかったです。

これらを知ることができたことで少し身も心も軽くしていけそうな気持ちになりました。

ミニマリストの本もいろいろありますが、大切なことと、そうでないことを分けて、自分を重くするものは手放し、人生を楽しむという視点を大事にしているのだなと本から感じました。

あとは、本で学んだことを自分自身が実践してみたいと思います!

 

以上、本の紹介と感想でした。

少年たちは花火を横から見たかった【岩井俊二】

少年たちは花火を横から見たかった岩井俊二

 


 

 

【感想】※ネタバレあり

両親の離婚が原因で転向してしまう“なずな”と、主人公の別れの物語です。

アニメ映画の「打ち上げ花火、下から見るか、横から見るか」の元となるような、正確にいうと元になったのはドラマのようなので、アニメ映画制作にあたり小説版もリメイクしたような作品だと後書きからは読み取りました。

私自身、アニメ映画の方は見たことがあったのですが、岩井俊二監督の作品が元だと知らなかったので、驚きました。

岩井俊二監督の作品は生きるやるせなさとともに鋭さのようなものが描かれていると感じていましたが、この小説でもそれらが描かれています。

しかし、岩井俊二監督の初期の作品ということと、本作は小学生たちの箱庭の青春を描いていることもあり、他作品よりはマイルドで切なくも甘酸っぱい作品になっていると思います。

 

読み終わった後はここで終わってしまったのか…というやるせなさ、切なさがありました。

同時に、でも現実ってそんなものだよね、これが限界で現実で妥当な終わりだ、と真逆の感想にはなりますが、区切りが良い終わりだったとも思いました。

少年ができる冒険や自由って限界があって、それでも少年たちは当時だるかったり楽しかったりしたし、でも、時間が経てば同じ熱量は保てなかったり、祈っても少年じゃどうにもできない環境もあるよね、と思わせる切なさがあります。また、主人公以外の少年たちの挑戦や好奇心、冒険もまたよかったです。

一方で、タイトルにもありますが、紅一点のなずなはどこか大人びていて人を魅了する色香があったことなどは分かりますが、なずな視点の物語はなく、横から花火を見たかったのはあくまで“少年たち”です。

なずなは親の離婚や転校というどうにもできないことへの抵抗はあるけど、本人も少年たちより大人なところがあるので、本当はどうにもできないと気づいていて、それでもあの花火大会の日、裏切らずにそばにいてくれて、現実から救い出してくれる何かがほしかったのかな、と思いました。

捨てられる桃、割れた西瓜、プールでなずなにつく蟻からも、捨てられてしまう、なずなの日常はなくなってしまう、誰かに止めてほしい、という感覚が連想されました。

でも、なずなは少年たちより大人なので、最終的には一緒に花火は見ずに去ってしまうわけですね。

 

本当は花火が横から見るとか、下から見るとか、その結果はどうだってよくて、みんなでそうやって花火を見ようとする青春が尊かったのだと、過ぎ去って戻れなくなってから気づくのかもしれませんね。

そんな切なさを感じる一冊でした。