読んだ本まとめブログ

読んだ本について概要•要約と感想を備忘録として残しています。

幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門【ラス・ハリス】※岩下慶一・訳


 

幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門【ラス・ハリス】※岩下慶一・訳

 

☞こんな人におすすめ

・ネガティブな考えや不安を消そうとしても消さずに苦しんでいる方

・緊張しやすくて悩んでいる方

・メンタルについて、いろいろ試してはみたものの、行き詰まっている方

・マインドフルネスの根本を理解しつつも、エクササイズも含んだ実践的な本が読みたい方

 

【概要・要約】

ネガティブな考えや不安などを考えないようにしよう、ポジティブに考えようと思っても、一瞬はうまくいってもまた時間が経つと再び嫌な考えは浮かんでくる。

人間はさまざまな危険(クマに襲われないかなど)を考え想像することで生存してきたので、安全に生きれるようになった現代でも、本能的にネガティブな考えや不安を考えてしまう。

これを「考える自己」と本著では呼んでいる。

「考える自己」をコントロールしようとするとますます「考える自己」にがんじがらめにされてしまう。

本著では「考える自己」を観察する「観察する自己」に着目して、観察することにより「考える自己」はあくまで頭の中の「物語」「浮かんできた文字」でしかなく、現実とは異なることを理解していく。

そして、「考える自己」をコントロールしようとはせずにあるがままにして、不安やネガティブな考えなどの「考える自己」を抱えたままでもあくまでこれらは自分の中の「物語」だと捉えることで、本当に自分が何を大事にしたいのかを重視し、「考える自己」と共に行動していくことができる。

本著では「観察する自己」のトレーニング(マインドフルネス)が随所随所に掲載されており、知識だけでなく、実際に呼吸をしながら自分の身体や考えをスキャンしていく方法や、「考える自己」が嫌な考えを囁いてきた時の対処法(その考えを「〇〇と考えている」と捉える、浮かんだ考えを歌に乗せたり、特徴のあるキャラクターの声で流すことでその考えは単に言葉の羅列であることを理解する、など)が載っている。

これらのトレーニングを通して、実際にマインドフルネスを習得できる一冊になっている。

 

【感想】

上記にも書きましたが、トレーニングがたくさん載っており、自分に合う方法を探りながら「観察する自己」を感じられるのがよかったです!

初めて手に取った時はタイトルについてどういうことだ?と思ったのですが、苦しみから抜け出そうともがくほどかえって幸せからら遠ざかるので、不安を抱えたままでも自分の大事にしたいことを行動してみようと思える一冊で、想像以上にすごくためになる本でした。

人類の7割はネガティブという話もあり、自分だけ特別ネガティブなわけではなく、ネガティブな考えが浮かぶのは普通のことなのだな、と思えたのも新たな発見でした。

これからも私たちは「考える自己」に振り回されそうになると思いますが、そんな時にこの本を読み返して、落ち着いて観察して、自分の大事にしたい軸で行動できるようにしていきたいな、と思いました。

概要では説明しきれないほど、エクササイズも本の内容もよかったので、今まで読んだ本の中でも特に一回とにかく実際に読んでみてほしい本です!